今日一日が自分に始まったことに感謝して
仏教詩人
坂村真民 さんのお話を紹介します。
末尾の詩がいいなあ
詩はぜひ読んでください
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「本気になれば世界が変わってくる」
坂村真民(仏教詩人)
『致知』1988年6月号
特集「人生の公案」より
※肩書きは掲載当時
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私は宝厳寺に行ったら、一遍上人の
お像の前に立ってもらいたい、そうして、
すぐに立ち去らないで一対一で静かに、
語りかけてくださる言葉を聞いてもらいたいと
いうんです。
合掌される手には数珠もない、
足にも何一つなく、はだしです。
こんな素朴な祖師像は他にありません。
捨てきった人の素直さだけがあるお像です。
一遍上人は
「ただいまの念仏の外に臨終の念仏なし。
臨終即平生なり」
ということをいっています。
つまり、あなたもいま、息をしていますが、
その息をしている瞬間が臨終だっていうんです。
毎時毎時、一分一分が臨終なんだ、と。
いま、そういう気持ちで生きている人間がいますか。
そこまで徹底して追求した人はいません。
一日一生などといいますが、
一瞬に比べたら、一日はとても長い。
一遍さんは息をしている時がすなわち臨終だといってる。
そう考えたら、何でもできる。
人間、いま死ぬんですよといわれて、すると、
慌てふためく人もいれば、そうかと考えて、
なすべきことを全部しようという人もおりますね。
死ぬ気でやれ、なんていったりしますが、
本当に死ぬ気でやったら、
できんことはないんじゃないですか。
なかなかそこまではいけないから、
とやかく愚痴をいうてみたりするんでしょうなあ。
私の「本気」という詩があるんです。
本気になると
世界が変わってくる
自分が変わってくる
変わってこなかったら
まだ本気になっていない証拠だ
本気な恋
本気な仕事
ああ
人間一度
こいつを
つかまんことには
あー、つかまんことには・・・
あなたは、つかんでいますか?
・・・
・・・